-From Cells to Robots-

RDLVAD

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| 心機能回復促進型左心補助人工心臓
(Recovery-Directed Left Ventricular Assist Device:RDLVAD)に関する説明

Ⅰ 研究概要
1)研究背景
 補助人工心臓は実際の臨床の場で多数の重症心不全患者に使用されており、確立した治療手段となっているが、補助人工心臓をもってしても(極度に弱った自分の心臓に補助人工心臓を装着しても)生存できない患者が多数いることも事実である。そこで、これらの患者の救命と自己心の機能回復促進(最終的には補助人工心臓を外すことができるまでに回復させる)を目的として、心機能回復促進型左心補助人工心臓(RDLVAD)を考案した。

2)心機能回復促進型左心補助人工心臓(RDLVAD)とは?
・2つの特長
・弱った自己心の機能に応じて、その圧仕事量を微調節できる
・心不全の極期には、心室の圧仕事を極限まで下げることができるので、弱った心臓
に“休息”を与える心不全の回復期には、その回復度に応じた圧仕事を設定することによっ
て、補助人工心臓からの離脱(補助人工心臓をはずして自己心のみで全身の循環を維持す
ること)に向けたトレーニングが可能補助人工心臓離脱時にも、従来の補助人工心臓のよ
うなON-OFF型の離脱ではなく、スムーズで安全な離脱が可能
・心室の弛緩・拡張を制限しない
RDLVADには連続流型血液ポンプを使用しているので、このタイプの欠点である弛緩・拡張制
限(高流量補助時に認められる)を起こさないような仕組みになっている
・上記の2つの特長は不全心の機能回復の鍵と考えられる

3)心機能回復促進型左心補助人工心臓(RDLVAD)の基本構成(図1参照)
・連続流型血液ポンプ:どのタイプの連続流型血液ポンプでも使用可能
・心尖部弁:心室が拡張期に入った時には閉鎖し、連続流型血液ポンプが直接心室を吸引しな
いようにする働き
・後負荷調整室(Afterload-Controlling Chamber:ACC)
・RDLVADの最も特徴的な部分
・弾力性と圧平性(図2の後負荷調整室の容積・圧関係を参照)
・生体の静脈と動脈の両方の物性を併せ持つ(ハイブリッド的物性)
・低圧時には生体静脈に似た挙動を示し、高圧時には動脈に似た挙動を示す
・内部に貯留している血液が少ないと非常に高いコンプライアンスを示す
・この高コンプライアンスは見かけ上であり、高い圧平性(変形性)に基づく
・内部に貯留している血液が増すにつれて、そのコンプライアンスは減少し、破裂しにくい仕
組みとなっている

4)心機能回復促進型左心補助人工心臓(RDLVAD)の作動様式(図3参照)
・自己心室の収縮期における作動様式:自己心室の圧仕事を微調節できる
・不全心の心室に接続された後負荷調整室内に血液を駆出させる(後負荷調整室内圧は大動脈
圧より低く
・設定しているので)
・この時の後負荷調整室の圧力が心室の圧仕事となる
・後負荷調整室内の圧力は連続流型血液ポンプの回転数によって微調節できる(実験で実証
済み)
・この圧仕事の調節は心室の能力や余力に応じて行う
心機能が極度に弱っているときは、図2(後負荷調整室の容積・圧関係)の低負荷領域内
に維持し、不全心の負荷をできる限り低く設定し、いわば休息を与える
心機能の回復度に応じて、後負荷調整室内圧を上げ、左室に適度なトレーニングを与える
・自己心室の拡張期における作動様式:自己心室の弛緩・拡張を制限しない
・連続流型血液ポンプの流量が高い場合には、後負荷調整室は図2の低負荷領域内となる
・この時、後負荷調整室の高い圧平性(潰れたような状態になっている)と心尖部弁(後負荷
調整室入口の弁)によって、心室内から直接血液を吸引されない仕組みになっている

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